人生最初の失敗は〝なりたい自分〟を見失ったこと
そもそも僕は、ミュージシャンになりたくて、十五歳からドラムを叩き始め、将来の夢はプロのドラマーでした。大学まで進学しましたが、バンド活動がメインで、就職する気は全くなく、大学を卒業してもアルバイトで生計を立てていました。アルバイトも音楽に関わりたかったので、当時、洋楽を扱っているカッコいい輸入レコード店、Tワーレコードで働きました。バイトではレコードを販売する立場ですが、「いつかは自分がアーティストとしてレコードデビューして、そのときはTワレコで大々的なキャンペーンをするんだ!」なんて、妄想しながら……。
そういう野心があったので、Tワレコではレコードの売り上げを伸ばすにはどうすればいいか、なんてことを学ぼうと、宣伝やセールスプロモ—ションにも熱心に関わっていました。大学で専攻した経営学の実践の場として、モノを売ることにも少なからず興味はありました。でも、あくまで、夢はミュージシャンとしてのプロデビュー。
ところが、気がつくと二十六歳になっていたある日、いつまで夢を追いかけても、バンドではいっこうにメジャーデビューできないという現実に目が覚めて、ついにバンドを解散することになったのです。
一人になっても、スタジオミュージシャンとして生きていく選択もありましたが、当時はすでにコンピューターソフトに打ち込んだリズムセクションを演奏に使うことが普及し始めていて、ドラマーの仕事は供給過剰状態で、よほど実力がないとプロとして通用しない厳しい世界になっていました。
そんなわけで、僕はミュージシャンへの道を諦め、まともに就職することを考えました。しかし、好きな音楽業界に携わっていたかったので、Tワレコ内でバイトから正社員になる採用試験を受けました。幸い合格し、外商のセクションに配属されました。具体的には、輸入盤のCDを全国のレコード店に卸す仕事です。輸入盤は解説書も何も付いてないので、どういう商品かわからない。そこで、発売元からFAX(当時はまだ海外とのメールのやり取りが一般的ではなかった)で送られてきた英文の説明を訳して、レコード店に「洋楽ファンじゃない、普通のOLさんにも売れますよ!」なんてセールスをかけていくのです。
仕事自体は面白いし、熱心にやれば成果も上がるのでやりがいもあったと思います。でも、僕はミュージシャンとしてデビューするという夢を諦めた悔しさがあり、この先ずっと他人のレコードを売っていくだけの人生なのかと思うと、次第にモチベーションが下がっていきました。
「バンドを解散したのは、人生設計の最初の大失敗だった! なりたい自分を見失ってしまった」と大きな後悔に襲われていました。
なぜ、なりたい自分になれないことが失敗だったのか?
どうすれば、なりたい自分でい続けられるか?
起業してつくづく思ったことですが、人生、なりたい自分を見失うと、何をやっても失敗してしまうものなのです。。。。
続きは、 『崖っぷち社長が教える! ピンチを乗り切る「なぜ?」「どうする?」の使い方』 の22~25ページをご覧ください。
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