こんにちは。「崖っぷち社長」こと殿木達郎です。
今日は大切な株主様を怒らせてしまった話です。
命の次に大切なお金を会社に投資してくれる株主はとても大切な存在。味方になってもらえれば強力なパートナーですが、時には利害が一致しないことも。。。
そんな株主とのエピソードを書籍から抜粋しました。
起業してから三年ほど経ったある日、「社長に株主の○○さんから電話です」と、若い女子社員が取り次ぎにきました。
名前だけでは一瞬ピンとこなかったのですが、代表取締役会長X氏の知人であることを思い出したのでした。音楽業界では若い人たちに慕われて〝先生〟と呼ばれている人で、さまざまな音楽事業で結構な資産を築いたらしく、過去に資金難になったときに、出資をしていただいたことがありました。
X氏いわく、その〝先生〟とは昔から親交があり、今後また資金難になったときには気前よく出資もしてくれそうなことを聞いていたので、ここは丁寧に応対しようと構えて電話に出ました。
するといきなり、「社長、いつになったら、上場するねん?」
と、〝先生〟はけたたましくまくしたてるではないですか。まくしたてるというかまるで恫喝!
「はよ、上場せんか? わいは待ちくたびれて、しびれ切らしたわ」
またまた、関西弁!しかも、明らかに「俺は、おたくの会社の大株主様だ!」と、偉そうな口調でした。確かに、〝先生〟が出資した金額は決して少ない額ではないのですが、でも大株主とはいえない額です。
僕は、いたって冷静な口調で「上場と言われても困ります。今、会社は上場できるような状況ではありませんし、まだその予定もありません」と正直に説明したのですが、もう、電話の向こうから、狭い事務所いっぱいに響くほどの恫喝の声がガンガンと鳴りやまない始末。挙句に、「すぐにこっちに来て説明しろ!」の一点張り。
さあ、どうしたものか?
実は、この恫喝事件が、とんでもない事態に発展するのです。
結論から言うと、この事件が発端で、創業当時僕を社長に担いだ〝神輿トリオ〟と、さよならを告げるドラマの幕が切られたというわけです。
その話は、次項で詳しく話していきますが、そんなとんでもないドラマが待ち受けていようとは思わず、僕は〝先生〟に恫喝されるまま、新幹線に乗って、関西方面に向かったのです。
なぜ、株主を怒らせたか?
起業のときに取締役になった経営コンサルタントのZ氏は「三年で上場させる」と豪語していたので、代表取締役会長のX氏も、取締役のY氏もZ氏の言葉をなんの疑いもなく、鵜呑みにしていました。三人とも起業の目的は、ベンチャー起業を上場して、売った株の利益で人生を謳歌するというマネーゲームでしたから!
多分、資産家の〝先生〟も、X氏がうまいことを言って、そのマネーゲームでおいしい思いをしたいと期待していたのでしょう。
恫喝されて僕は相当ビビったのですが、X氏とはかなり親しい間柄であること、それに、なにより出資者であることを考えたら、放っておくわけにもいきません。まずは、〝先生〟の怒りを鎮めて、理解を求めるしかありません。
どうすれば、株主と良い関係を構築できるか?
その答えは、 『崖っぷち社長が教える! ピンチを乗り切る「なぜ?」「どうする?」の使い方』 の91~95ページをご覧ください。
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