資金調達で明け暮れた起業人生
起業して、事業が軌道に乗るまでは結構時間がかかります。実際に起業された方々の経験を聞くと「半年間は開店休業状態だった」とか、「利益が出るようになったのは三年後だった」とか、皆さん辛抱を強いられています。「僕の会社は〝音楽業界のIT化〟をしている会社なのですよ」と世間に認知されるまでに、五年もかかってしまいました。
しかし認知されても、即、会社が儲かるわけではなく、事業を継続し、発展させていくために、日々資金繰りに明け暮れたものです。それが僕の社長としての包み隠さない姿でした。
幸い、倒産こそしませんでしたが、仕事をしても売り上げの回収が追いつかないと、会社の通帳には、あと数千円しか残っていない、ということも何度かありました。まさに「崖っぷち」。冷や汗だらだらで、日々社長業を続けてきたのです。
会社経営には、結構な経費がかかります。創業時、社員を四人雇いました。若いのでそれほどの高給取りではないですが〝年齢万円(二十二歳なら二十二万円、二十五歳なら二十五万円)〟は払っていました。給料に社会保険も足されるので、二十代前半でも四人もいれば、年間で軽く一千万円を超えてしまいます。加えて事務所の家賃です。僕の会社は新宿にありましたので、雑居ビルの狭いところですが月々およそ二十万円。なんだかんだで、年間の経費は総額一千七百万円くらいかかりましたので、最初に用意した資本金はすぐ底をつきそうになりました。
でも、僕は前職の会社で給料が遅配になったことに、とても腹を立てていたので、どんなに苦しくても給料はきちんと支払っていました。また大家さんの信用を失わないように、家賃も毎月きっちり払いました。
唯一の未払いは、社長(僕)の給料です。そればかりか、かかった経費をポケットマネーで立替えていました。これは会社に僕のお金を貸しているわけで、帳簿には「役員借入金」と書かれた項目の数字だけがやたらと多くなるのです。
「なんだよ、かかる経費を結局自己負担しているんじゃないか」と思うと、情けなくなります。これでは健全な経営とはいえません。やはり、事業計画に賛同し、会社が成長することに期待して出資してくださる株主さんや融資をしてくださる銀行で資金を調達する努力をしなくてはなりません。
なぜ、資金繰りに明け暮れるのか?
どうすれば、資金繰りがうまくいくのか?
その答えは、 『崖っぷち社長が教える! ピンチを乗り切る「なぜ?」「どうする?」の使い方』 の85~88ページをご覧ください。
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